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稲毛駅前に佇む別世界 "フルハウス"

フルハウス 稲毛駅のすぐ近くの雑居ビル2Fに佇むロックバー"フルハウス"

 1971年のオープン以来、音楽好き(特に1960~70年代の洋楽ロック)の人たちの憩いの場として、数多くのファンや常連客に愛され続けてきたバーだ。

 このwebサイトは基本的に風景や景色の写真を紹介するのが目的だが、(2020年9月の時点で)4月頃から本格的に始まったコロナ禍の影響をこちらのお店も受けてしまっている事、そして翌年2021年にはオープン50周年を迎える事から、応援したい気持ちも込めてフルハウスを紹介することにした。


フルハウス外観1 建物 入り口2 入口 店内3 店内 店内4 店内
店内5 店内 カウンター6 カウンター席 カウンター7 カウンター席 レコード8 演奏中のレコード

1…昭和の時代そのままの建物がいい雰囲気を醸し出す。

2…階段を上って2Fに着くと、すぐに入り口が姿を現す。

3…中に入ると、外国映画の舞台のような内装がお出迎え。人数に合わせて、カウンター席に座るもよし。テーブル席に座るもよし。

4…壁に飾られているのは、1960年代や70年代を中心としたレコードやCD。ムードある内装は店主の高山さんの手作りというから恐れ入る。

5…店内に流れる音楽はロック、ソウル、ジャズ、ブルースetc…洋楽だけではなく日本のロックやポップスがかかることもあるが、店内のムードからしてやはりカントリーやブルースが一番よく似合う。

6…テンガロンハットにチャップスという、いかにもな出で立ちのカウボーイが座っていそうなカウンター席。
カウンター内部を覗くと、多種多様なアルコールがズラリ。ちなみに私はアルコールが全くダメな体質なのだが、酒が好きな人には更に楽しめるシチュエーションだろう。

7…黒板に書かれたメニュー。マスターが作る料理も美味しい。メニューは日によって多少変わるが、私はジャーマンポテトやパスタが好きでよく頼んでいた。

8…この時かかっていたのはサンタナの2ndアルバム「天の守護神(原題:ABRAXAS)」。"Black Magic Woman"や"Oye Como Va"の大ヒットで人気を不動のものにした記念碑的アルバムだ。
このアルバムが出たのが1970年。フルハウスが開店したのは1971年(当初の名は「ドノヴァン」)。世界情勢でいうと第4次中東戦争やオイルショックはおろか日中国交正常化すら樹立する前であり、ベトナム戦争が泥沼化していた時期であり、ザ・ビートルズが解散した直後である。それほど昔の時代に、すでにこのバーがあったというのがスゴイ。


高山眞一さん こちらがフルハウスのマスター、高山眞一さん。

 フルハウスを初めて訪れたのは2000年(平成12年)の暮れ。知人に「昔の洋楽が好きな人なら、アルコール飲めなくても楽しめるバーがあるよ」と誘われたのがきっかけ。来てみたら予想以上の居心地の良さにすっかり気に入ってしまい、それ以来不定期だがちょくちょく訪れるようになった。最近はしばらく顔を出していなかったが、多い時は月に5,6回のペースで通っていた時期もあった。

 尚、2016年には開店45周年(!)を記念し、本の出版のほか、店内で特別ライブも行われた模様。

フルハウス45周年記念本 右の写真が前述の45周年記念ブック。The Jaywalkのドラマー、田切純一氏やサエキけんぞう氏といった著名人との対談のほか、マスターが若い頃の写真や昔の店内の様子、来日アーティストたちのコンサートチケットなどが紹介されており大変興味深い。※私は店内で購入しました(¥3.240+税)。

 フルハウスが開店した当時は似たような音楽喫茶は結構あったと聞くが、現在に至るまで営業を続けているのは、日本全国探してもおそらくほとんど例が無いであろう。
 色々と紆余曲折があったことは想像に難くないし、来客を楽しませる工夫や努力もたくさんあったであろう。しかもこのバーは、多少の臨時休店はありつつも基本的に年中無休でやってきたのだ。ここまで続けてこられたのは居心地の良い店内もさることながら、マスターの人柄によるものが大きいのでは。

高山眞一さん 上記の「ロックバーダイアリー」からキャプチャーしたためちょっと画質が悪いですが、マスターの若かりし頃。後ろのレコード棚は、現在もそっくりそのまま使われている。

 本をめくると昔の店内や、さらに遡って開店前の内装工事途中の写真も見ることができるが、ほぼ当時のまま現存しているのが良い。
 開店した1971年当時と比べると当然世の中は大きく変わった。年号だって2回変わった。でも、良いものはずっと残る。特にベテランの常連の方たちにとって、懐かしい思い出に触れられる場所であり、安心できる場所なのではと感じた。


フルハウス(Full House)…概要

1971年(昭和46年)、稲毛駅近くにロック喫茶「ドノヴァン」としてスタート。
1976年(昭和51年)、現在のビルに移転し「フルハウス」に改名。それと同時にアルコールや食事の提供も始まる。

住所…千葉市稲毛区小仲台2-6-1 稲毛駅前市街地住宅京成ビル2F ※稲毛駅東口から徒歩約3分
℡…043-287-3841
営業時間…18時~24時 ※現在は開店時間・閉店時間共に若干早いそうです(要確認)。

公式ブログ…https://fulmas.hatenadiary.org/